Remote Whisper の仕組み

声がどこに送られ、どこで処理され、何を保存するのか。技術に詳しくなくても分かるように説明します。ここで説明するのはセルフホスト版(GPU を積んだ自分のマシン(以下、ホスト)にサーバーを立てて使う形)です。

データの流れ

ブラウザは音声を ホストに送るだけで、文字起こしも要約も ホストの中で行います。

あなたの端末ブラウザ(PC・スマホ)ホストGPU を積んだ自分の PCインターネットホストの外マイク音声を変換16kHz・モノラル画面に表示サーバーWhisper文字起こしOllama要約・用語リスト保存~/.remote-whisper音声を少しずつ文字・要約モデル配布元HuggingFace など通知サービスGoogle・Apple外部の AI使わない初回だけ通知だけ✕
声の行き先は自分のホストだけ。ホストが外と通信するのは、最初のモデルの取得と、オンにした端末への完了の通知(タイトルと URL だけ)のときだけです。
  1. ブラウザがマイクの音声を取り、文字起こしに向いた形(16kHz・モノラル)に変えて、ホストに少しずつ送ります。
  2. ホストの Whisper が文字起こしし、結果をブラウザに返します。数分おきに Ollama が途中の要約を作ります。
  3. 録音を終えると、ホストが録音全体から浄書済みの文字起こしと最終要約を作ります。

文字起こしにも要約にも、外部の AI サービスは使いません。モデルは ホストの中で動きます。

録音中と、録音のあと

録音中は、話した内容をすぐ画面に出すことを優先して、数秒ずつ文字にします。録音を終えたら、録音全体を使って、より正確な浄書と最終要約を作り直します。

ブラウザあなたの端末WhisperホストOllamaホストマイクの音声を少しずつ送る数秒ごとに文字起こしして、すぐ画面へ数分おきに途中の要約用語の見直し文字起こし時刻合わせ話者分け最終要約浄書と最終要約が届く録音を終える録音中録音のあと音声 1 時間で約 15 分(ベンチマークより)
録音中は速さを優先して少しずつ文字にし、録音を終えてから、録音全体を使って浄書と最終要約を作り直します。用語の見直しは参考資料を選んだときだけ行います。
  • 録音中: Whisper が数秒ごとに文字起こしし、Ollama が数分おきに途中の要約を作ります。
  • 録音のあと: 文字起こし・単語ごとの時刻合わせ・話者分けをやり直して浄書を作り、それをもとに最終要約を作ります。かかる時間の目安はベンチマークにあります(RTX 2060 で、音声 1 時間あたり約 15 分)。

何をどこに保存するか

データは ホストの ~/.remote-whisper/(Windows では %USERPROFILE%\.remote-whisper)に保存します。録音に使う端末には、画面の表示に使うもの以外は残しません。

データ保存する場所消えるまで(デフォルト)外部への送信
録音した音声ホスト10 日しない
文字起こしホスト30 日しない
要約ホスト30 日しない
参考資料から作った用語リスト・コンテキストホスト無期限しない
最終要約のコピープロジェクトに選んだフォルダ消さないしない
サーバーのログホスト10 日しない
  • 保存期間は設定の「保存」で変えられます。期間を過ぎたものは自動で消えます(0 にすると無期限)。
  • 最終要約ができると、プロジェクトに選んだフォルダに summary-YYYYMMDD-<タイトル>.md としてコピーを置きます。このコピーは自分のファイルとして扱えるよう、保存期間が過ぎても消しません。
  • ログには、文字起こしや要約の本文は書きません。

用語リストの仕組み

Whisper は、知らない専門用語や固有名詞を聞き間違えやすいモデルです。そこで、録音の内容に関係しそうな語を「用語リスト」として Whisper に渡し、聞き間違えを減らします。

参考資料PDF・md・txt・html手で直した語コンテキスト資料の要点用語リスト要約Whisper文字起こし要点をまとめる語を拾う正しい語要約に使うヒントに要約の材料録音中に何度も出る語を足す(設定でオン)
用語リストは Whisper へのヒント。資料・手で直した語に加えて、設定でオンにすると、文字起こしに何度も出る語が録音中に足されていきます(点線のループ)。
  • 資料から拾う語: 参考資料を選ぶと、Ollama が資料から専門用語を拾います。あわせて、資料の要点(コンテキスト)を作り、要約に使います。
  • 録音中に拾う語: 設定でオンにすると、録音中の文字起こしに何度も出てくる固有名詞・専門用語を拾って足します。
  • 直した語: 文字起こしの間違いを手で直すと、正しい語が用語リストに入ります。
  • 録音後の再生成: 録音を終えたら、今回の録音で資料のどこを扱ったかを判断し、その範囲に絞って用語リストを再生成します。浄書済みの文字起こしには、こちらを使います。

詳しい仕様

ファイルの形式・通信の内容・API などの詳しい仕様は、GitHub の docs/spec にあります。

最終更新 2026-11-05 ・ how-it-works/index.md